第3回 広がる青空、渡る風  ふれる、つながる、人の思い 

2016年9月25日(日) 9:30~12:00

 八ヶ岳の南麓に広がる高原の町、清里。その開拓の歴史は、東京都と山梨県にまたがる奥多摩湖(正式名称:小河内貯水池)建設のために移転を余儀なくされた人々によって始まりました。人々の開拓への尽力が、清里における農業や観光業の発展に大きく寄与しました。
今回は、そんな歴史や人々の思いの一端に触れつつ、秋の心地よい自然を満喫しながら歩いていきました。    

まずは丘の公園からスタートして牧場通りを歩いてきました。コブシの実やクリ、ドングリなど秋の実りを実感しながら、谷口牧場へ。実はこの谷口牧場、大学生だった故星野道夫さんがアルバイトをしていた牧場でもあります。他ではなかなか聞くことのできない意外なエピソードを谷口さんから伺い、親しみを感じました。 

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さらに牧場通りを上っていくと「朝日ヶ丘こもれび橋」があり、欄干には開拓の様子を描いたレリーフが飾られています。山林をすべて人の手で切り開き、根を起こし、石を運び、作物を育て……。現在の開けた高原のイメージからは想像できない、開拓当初の苦労が偲ばれ、先人たちの偉大さを改めて実感しました。 

次に、事前に許可を頂いた八ヶ岳少年自然の家の敷地内へ。この日は雨続きから一転、久しぶりの快晴!広大な青空と緑の丘に、北は八ヶ岳最高峰赤岳の険しい岩肌が映え、南は遠くに富士山を望む……。まさに今回のテーマにある「広がる青空、渡る風」そのものの自然の中で、思い思いの時間をのんびり気持ちよく過ごすことができました。 

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丘を抜けた後は森の中へ入り、小川にかかる橋を渡った先で「木漏れ日アート」という自然遊びをしました。白い紙に木漏れ日による影を写し込んで、自分だけの自然の影絵を探します。実は「木漏れ日」に該当する英語はありません。美しい日本語から垣間見える自然を大切にしてきた太古の歴史にも思いを馳せながら、森の空気を堪能しました。 

森を通り抜け最後に訪れたのは、「念場開拓の碑」が残る豊國神社。最近になって作られた鳥居もありますが、そのほかは拝殿代わりの小さな建物と小屋があるだけの素朴な神社。「念場」という当時の呼び名と合わせて、開拓当時の人々の信仰や心の拠り所になっていたことが窺える、やわらかい空気が流れていました。 

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 豊國神社を離れ、最初にスタートした丘の公園に戻ったところで、今回のてくてく八ヶ岳はおしまいです。
秋を満喫した心地いい自然に囲まれる現在の清里の暮らしは、先人たちのたくさんの努力の上にありました。今に至る歴史を改めて感じることができたと同時に、自分のふるさとなど縁のある他の地域でも、かつての姿に思いを馳せてみたいと感じました。